離人症で経験した症状をすべて解説―正常に戻るときがあるからハッキリわかる

2019年11月8日メンタルヘルス・精神・ストレス

離人症 精神疾患 現実感 自分が消える?

はじめましてこんにちは。さやです。

7年くらい、ストレスがかかると離人症になるっていうことを繰り返しています。

離人症を経験する人は多いですが、実際にどんな感じになるのか?っていう情報が少ない!

人によって違いがあるところも多いですが、様々なパターンを経験したのですべて解説します。

離人症ってどんな感じ?

物凄くショックを受けたあとや、大切な人との別れの直後などで、誰でも経験するようなことだと思います。

目の前の現実が遠くなったような、現実ではないかのような感じがします。

夢の中のように、現実が勝手に進んでいって自分ではコントロールできないような感じのときが多いです。

日常のなかで場面が急に変わったように感じたり。

後から思い返すとコマ送りでしか思い出せなかったり。

 
あとは軽度なときでも一番に出るのが、完全にぼやーーーっとしちゃう。全部。

感情も現実も行動もとにかくぼやぼや。こういうときは記憶も薄い。

 
そうではなく全部ハッキリしていて活動的だけど自分は不在っていうのが一番重度のときですね。

なんか楽しそうだけど、わたしじゃないから知らない~。

 
離人症はどんな症状でも、孤独感が凄いです。

みんなは普通に生きているのに自分だけそうなれない。

目の前に一緒にいるのに、会えていない感じ。

自分だけ違う世界にいる感じ。

そんなことを言ってもなったことがない人にはわかりにくいので、要素要素ごとに詳しく解説します。

視覚・知覚の症状

わたしの場合、遠くから見えているように感じるというのが最初の症状でしたね。

目の前は知覚としては見えているのですが、感覚としては自分の目がそこにあるのに、自分自身は遠く後ろから見ているように感じます。

認識する範囲も、画像みたいに狭く感じる。

あとポイントポイントは目に入るけど細部に気が付かなくなっているかも。

実際には見えているんだけど、「これがある」「こんなことが起こっている」というところ以外の広がりがなくなる感じ。

離人症の知覚

こういうときって後から思い出すと、自分の後ろから見た映像が実際に記憶として残っているので気味が悪いです。

いや、視えてないはずよね?自分の後ろ姿。

それでもそれが記憶になっているから、人間の脳って、記憶って、恐ろしい!
 

その他だと、たまに起こるのは、目を開けているのにそもそも目の前を視ずに過ごしていて、いろんなものを見逃していること。

遠くから感じていたものが、遠くに行きすぎちゃってるみたいな?

そこにいるのにそこには居ないって感じです。SFかよ。
 

軽度のときでも一番頻繁に起こるのは「ぼんやりとしてピントが合わなくなる」感じです。

めちゃくちゃに泣いた後とかと感覚が似ているかも?

鮮やかさや広がりや奥行きがなくなって、ピントが微妙~に合ってない感じがします。

多分スマホに慣れている今、ガラケーで写真を撮るときの画面を見たらそんな感じなんでしょう。
 

これは調子が良くなるとハッキリとしてくるので一番わかりやすい。

自分の意識を元に戻そうとする努力をするときは、視界の感覚で効果があるかどうかを確認しています。

記憶の障害

離人症では明確に記憶障害があるというような定義はされていませんが、記憶の引き出しが上手くいかなくなったり、記憶の繋がりが薄くなる障害は起こりました。

調子が悪いときはとにかく記憶が無いです。

 
記憶がないといっても全く存在していないのではなく、上手く思い返せなくなります。

実感としては少し場面が変わると「はて」みたいに、突然そこに放り込まれたかのような感覚になります。

さっきまで何をしていて、その前は何をしていて、昨日や1週間前はどんな感じだったのかがわかりません。

調子が悪いときはほぼ1日消えた!感覚がします。

そのとき一瞬一瞬を生きているんですよ。ってかっこよく言っても本人はまじで困っています。
 

思い出せないといっても、完全に記憶がないことは滅多になく、「この話をしたときに」とか言われると思い出せたり、よくよく考えれば思い出せたりします。

酔って記憶をなくしたときにもそんなことがありますよね。

何かしらのきっかけで繋がらないと思い出せないっていう現象がすごく起きるので、遊び始めちゃうとやらなければならないことを忘れるし、仕事のことを考えてると友達へのLINEを返しません。

単純に切り替えが下手な人みたいに見えますが、わたしは前はこんな感じではなかったです。

うっかり忘れが凄く増える!

まとまりをもってバランスよく考えることが出来なくなります。

感覚の変化

離人状態の深さにもよりますが、自分の身体が自分のものだと感じられなくなったり、感覚が薄くなったりします。

自分の身体だと思えていないけど、動かせるっていう変な感じになっているときは、外から見てもどこかぎこちなくなります。

 
さやはこれ経験があるので、人がこうなっているのを見るとなんとなくわかります。

おお。アレだな。大丈夫か?ってなります。

酔ってて感覚が鈍ったときに似た感じになることがあるかも?

 
自分のものではないという感じじゃなくても、感覚自体が薄くなって、空腹や眠気や痛みなどの感覚に気付きにくくなったり、無視しやすくなったりすることもあります。

本当に重度のときは、リストカットとかしても痛くないんですよ。

離人症の症状があると、自分の身体や生きていることに対する実感を得たくて自傷行為をする人も多くいます。

痛みや体調不良がどうでもよくなって自然と自分の身体を大切にできなくなることもあるので、周囲の人は注意が必要ですね。

感情の障害

感情が一番厄介で、単に何も感じないとか、自分じゃないとか言っても理解できないですよね。

慣れるまでは自分でも理解できません。

感情は重度や状況によって色々あるので、それぞれ解説します。

「自分の感情」を失くす感覚。本人不在

一番悪いときは、何が起きてもロボットのようになって何も感じません。

夢の中の出来事みたいにしか思わない。

一人になったときにふと、何も感じないこと自体が辛くなるっていう不思議な現象。

何も感じてないなら辛くもないのでは?と自分でも不思議になる。

 
これに関して、わたしの感覚では自分がその場に居ないんだと思っています。

わたしがわたしだと思う自分、さやがですね。その場に居ないんですよ。

それでそこにいる何者かが、「さやがいねえ~さやがいねえ~」っておろおろして辛いんです。

 
さやはこの人が大好きで大切なのに、ここにいる自分は何も感じない。

さやだったら、こんなことがあったら嬉しくて幸せなはずなのに、自分は何も思わない。

ここにいる抜け殻の自分は、人生も人格も持っていない代役なので、特に何も感じないんですよね。

 
この抜け殻、人前ではまじで活動的で元気で明るかったりします。

周囲の人には元気だと思われていることも多い。

とはいえ、さやっぽく振舞うんですけどね。模倣しているだけなので微妙に違うんですよね。

誰やねん。

色々な感情を自分は外から眺めている。本人は傍観者。

これも本人不在なんですが、前項とは違って自分の実感は逆に外側の方にいます。

なんだか泣いたり笑ったりしている自分を、外側から冷静に眺めています。

 
自分じゃない人が勝手に色々騒いでるように感じる。

さやは今楽しい気持ちになれないのに、表に出てる自分は笑ってる。

さやはもういろんなことがどうでもよくて怒ってなんていないのに、勝手に怒っている。

 
なんでやねん!って外から見ています。

 
人と関わるときだけ離人するときとか、特定の場面でだけ離人しているときはこの症状が出やすいです。

病院とかでよくあるね。自分自身は何も感じないように一歩後ろに引いてるのかなぁ。

閉じこもる感情。見ざる言わざる聞かざる

内側では色々と思うのに、外側のことは感じない。

何も感じないまでは行ってないときに起こりやすいです。うつ状態との関連性も高い気がします。

外と自分の間に膜が張ったように感じるっていう症状があるときの感情がこんな感じかも。

 
現実を経験してから感じるまで、ワンクッションある感じです。

例えば嫌なことを言われたとき、その場ではなんにも思いません。

それから、そのことを後から頭の中で思い返したときに初めて、自分の中でもやもやしだします。

 
これ、別によくあることやん!って感じなんですが、結構困ります。

例えば嬉しいことを言われても、その場ではなんとも思わなくて普通のリアクションをしてしまって、後になって考えてみると嬉しいことだなぁと感じるんです。

なんであの時ちゃんと嬉しい顔を見せられなったんだろうかぁぁぁああってなります。

 
外出して人混みでイラっとしたり、電車で座れなくて辛くなったり、些細なことでテンション下がったりっていうことはなくなるので結構楽ですけど。

後から思い返す価値のあることしか受け取らなくなる感じですね。

 
自分の中で色々と感じるけど、外に対して直接感情が出ることがなくなってしまうので、実はこのときが一番人にバレやすいです。

他のときと違って代役が立ってないんでね。感情ない自分が「外のみなさん?あ~今日はお休みなんですよ~」ってドア閉めちゃってます。

 
なんにも思っていないときもあれば、内側では何かで悶々としているときもあるんですが、外で起こっていることに対して普通の人のふりをするのが結構大変です。

リアクションとか反応とかちゃんとしないと!って思うと疲れます。

離人症による人格の変化

離人症は本人が感じていることが変わることですが、それによって人格も変わってしまいます。

二次的な症状かな。

落ち着きがなくなる

目的がハッキリしなくなったり、意識を向けるところがなくなったりするので、落ち着きがなくなります。

自分の元々の習慣やこだわりを忘れることもあるから、日常の小さなことでも何をどうするかその場の思いつきだけで決めたり。

感情が無いようなときは、全部がどうでもいいので、行動や言動も頭で考えて迷ってから決めるので右往左往するような感じ。

また、出来事に対してリアクションしないので、会話や次の行動に繋がりません。

そのときどきで考えていることが増えて、一貫性がない人間に見えるだろうと思います。

努力ができない

元々持っていた目標が見えなくなったり意味がなくなったりして、継続的な努力をすることは難しいです。

自分の人生だから大切にしたいこともあるし、求めるものもあるはずなのに、それがなくなってしまう。

 
感情的に幸せとか喜びとかがなくなってしまっているときは、何をしても意味がなく感じるし。

最終的に困ることや辛いことすら避けなくなってしまうことも。

何か理由があれば、なんとなーく続けることもあるけど、現実に対する熱意が努力するほどにはなくなってしまうので、だらけがちです。

人間関係を大切にできなくなる

人と共感することができないので、人と関わる喜びや安心感がなくなってしまいます。

「自分だけがこんな風に感じているし、人には理解されない」と思うから、自分が感じていることや思っていることを言わなくなります。

 
一緒に過ごしているのに自分だけ実感がないなんて申し訳ない気もします。

誰かを大切に思う気持ち自体が消えちゃっていることもあるし。

 
わたしの場合、常に離人症っていうわけじゃないので、元々の自分が大切にしていた人を大切にするようにはしてる。

 
でも一番は、相手の気持ちを考えることが苦手になるかもしれない。

自分の感情がおかしくなっていると、「普通人はこう感じる」「こんなときこの人はこう思うかも」っていうのも段々わからなくなっちゃう。

結局人間関係は面倒くさくて違和感のあるものになってしまいます。

 
ぼーっとしてたりどうでもよいと思ってしまったりして連絡返さないし、前回会ったときのことを思い出せなかったり、次の約束を忘れてしまったりして具体的な理由で嫌われることも多いです。

離人感がなくなってから、なんであのときもっとちゃんとしなかったんだろう?とか思って空しくなります。

 
それにやっぱりバレますね。

しっかり関わっている人には、わたしが相手に対してなんとも思ってないっていうことが。

いくらフリをしても人と人との関係では、なんとなく本質を見抜かれてしまって破綻することが多いです。

悲しい。

離人症の理解や研究が進むのはまだまだかかりそう

わたし一人の経験だけでもこれだけ多彩な症状があるので、離人症というカテゴリーでも様々な人がいるんだと思います。

こういう病気なんだ!理解して!って言いづらい。

なってみないと本当にわからない。

 
でも実は身近な症状なんですよ。

誰かとの別れの直後や、ものすごくショックな出来事の後に一時的に経験する人は多いです。

元々はストレスに対する防衛機制なので、「あのときはショックで何も感じなかった」「辛い時の記憶ってあんまり残らないよねえ」みたいなことで済みます。

それが慢性的になると苦痛を感じるんですね。

 
孤独感が一番辛いので、誰かに話すことが出来たらなぁと思う反面、言ってしまったら相手にとって自分がただの抜け殻の意味のない人間になってしまうのが怖い気持ちもあります。

わたしの場合はとても親しい友だちには「あ、ごめん今日本人不在だわ!」って言ってしまいますけどね。

上手に説明できると良いと思います。

わたしは説明下手なんですけど、誰かの参考になったらいいな。

同じような経験した方、違う症状を経験した方、どんな方でもコメントお待ちしております!