エーラスダンロス症候群(関節型)ってどんな病気?難病当事者さやの症状解説

2019年11月6日管理者さやのプロフィール・経歴

この記事ではさやの持病について完全解説!していきます~。

エーラスダンロス症候群 関節型 難病 症状

エーラスダンロス症候群またはさやに対して、興味がない人にとってはなんの役にも立ちません!あしからず。

珍しい病気なので、情報を探している人が辿り着いたかもしれませんが、エーラスダンロス症候群は個人差が非常に大きい病気です!

くれぐれも、へえ~こういう病気なんだという安易な理解はしないでください。

こういう人もいるんだが正解!

エーラスダンロス症候群の関節型かも?と思っている人にとっては、公式な情報ではわからないような細かい話をしているので、もしかしたら参考になるかもしれません。

エーラスダンロス症候群とは?

英語でいうとEhlers–Danlos syndromesで、EDSと略されます。

(日本の患者はエーラスと言っていることも多いです。)
 

皮膚、関節、内臓や血管などの組織がもろいことにより引き起こされる様々な症状と合併症があります。

皮膚が伸びやすい、関節が異常に柔らかく簡単に脱臼する、血管がもろく破れやすい、などの症状がわかりやすい特徴ですが、型によって違いがあるめ、一言で説明するのは実際は難しいです。

代表的な症状がないからといって、安易な判断で「違う」と思い込んだり、「軽度だから大丈夫」などと決めつけないようにしましょう。

 
患者の子には1/2の確率で遺伝するといわれている遺伝子病です。

(わたしの場合、母方の血筋にEDSの症状を持つ人が複数。4人兄弟のうちわたしだけ症状が強く、弟が症状はないが特徴を持っているという微妙な遺伝の仕方)

原因遺伝子は一部の型で判明されておらず、原因はまだよくわかっていませんが、コラーゲンの異常による疾患です。
 

患者数はすべての病型合わせると1/5000人だといわれますが、診断できる医師が少ないため日本での患者数の把握はできていません。

原因不明で治療法が確立されていない希少な難病で、
長期の療養を必要とするなど患者にとって負担が大きい病気として、重度によって国の支援を受けられる指定難病です。

エーラスダンロス症候群の関節型で起こる脱臼・亜脱臼の症状

25歳現在で、多い日では1日に100回以上関節のズレを直します。

「ズレを直す」という表現をしたのは、「脱臼とか亜脱臼をした」とか定義できるレベルじゃないから。

身体の中で骨が動いて変なところにいるって感じ。
 

腕の重みで肩や肩甲骨がぬーんと落ちてくるので、ボキボキボキっと元の場所に戻す。

みたいなことを人と笑顔で話しながら延々と繰り返していることがあります。隠れホラー。
 

「脱臼してる」というと、テレビやアニメで見るような「ゴキンと外れてだらーんとして動かない状態」を思い浮かべる人が多くて困るんだけど、

脱臼していても骨や神経や筋肉はそこにあるので動かせますし、目に見えてだらーんとするほど伸びません。

整形外科医や整体師とかでなければ、見ただけではそうそう気が付かないですよ。
 

そんなことになっていても何故動けるのかというと、伸びた靭帯のせいでしっちゃかめっちゃかになった所を筋肉がフォローしまくってるからです。

正常な状態=骨が正しいところに収まり、それを靭帯がつなぎ留めている

EDSの関節=靭帯が伸びてしまって正しい場所からズレやすい。周囲の筋肉が支えている

筋肉の仕事じゃねえからまじそれ!!!!

というわけで、何をしていても物凄く疲れます。

座ってるときも腕の重みで肩や肩甲骨がずれてくるので、崩れかける身体を筋肉で支えてるみたいな、ファンタスティックなSFの生き物ですか?って思ってしまう状態です。

筋肉が不正労働を強いられまくっているので、「普通の人の3倍くらいカロリー消費してると思うよ」と主治医が言っていました。

普通の人の3分の1くらいしか動けないから結局カロリー消費はトントンな説。
 

初めて脱臼したところや、酷い脱臼の仕方をしたところでは普通の脱臼と同じくらい痛いです。

脱臼を何度も繰り返していると脱臼自体の痛みはなくなり、違和感と軽い痛みと周辺部位の疲労が残ります。

 
こういうことが起きているときに本人が感じている苦痛は以下の通り。

  • 脱臼や亜脱臼の痛み
  • 骨が動いて気持ち悪い。たまに変なとこに当たって痛い。または苦しい。
  • 周辺筋肉の疲労と筋肉痛
  • 神経が圧迫されることによる神経痛

脱臼や亜脱臼の程度によりますが、筋肉への負担やズレによる圧迫がどんどん増えて、異常に疲れやすくなっていきます。

エーラスダンロス症候群かも?と思う人へのアドバイス

痛みや疲れやすさがあっても、関節の過伸展(やわらかさ)や脱臼・亜脱臼が目立たないことがあります。

  • 関節が異常に曲がるのではなく、横にズレる
  • 脱臼や亜脱臼はしていないけれども、微妙にズレている
  • ゴキンと外れるのではなくゆっくりと微妙に外れていく

普通の医師はこういう可能性を確認しないことがあるので注意してください!

さやの場合のその他の症状

ざっとまとめてみたら意外とあって自分でもいろいろと忘れそうになりました。

エーラスダンロス症候群関節型ー脱臼以外の症状の例

慢性疼痛  自律神経障害  胃腸障害 筋力の低下 嚥下障害 声が出にくい 大動脈閉鎖不全(症状なし) 肌が日光に弱い 歯並び悪い&動く

慢性疼痛――EDS関節型の典型症状

関節があるかどうかや、脱臼しているかに関わらず、とにかく全身あちこち痛いです。

健康な頃気になっていた「あれ?ここ痛いな」程度の痛みでは慣れ過ぎて気付かないくらいです。

でも症状が出始めた頃はこれが一番辛かった。

あと、機嫌が悪いときとか精神的なエネルギーが下がっているときは地味に攻撃食らってます。

わたしの場合、普段の痛みは気力でどうにか出来る部分も大きいのでべつに。って感じ。

自律神経障害――EDS関節型で多くの患者にみられる

個人的に一番嫌なのが自律神経症状ですね。

立ち眩みとか起立性低血圧の症状はずっとあります。

少し動くだけで動悸がするし、飲み物もって戻ってきたくらいの運動でも手が震えてます。

暑さ寒さにも対応できなくてすごくよわっちいです。

最近では、少しでも感情が動くとぶわーっと汗が出たり顔が赤くなったりして恥ずかしいし、

メンタル元気なのにぜんっぜん眠れない。またはずっと眠い。とかが一番嫌です。まじで。
 

自律神経症状に関しては、合併症として「出るよ」とは言われていたし、年々酷くなっているのでおそらくEDSの症状だとは思いますが、
それ以外にも不規則な生活やらストレスやらが関わっているので「どこまでEDSが起因か」はわかりません。

胃腸の障害――逆流性食道炎や胃炎や機能性腸障害はEDS全般によくみられる

あとは胃腸の調子が崩れやすい。

これはね、高校生のときから胃が痛いとかめっちゃあったけどストレスのせいなのかどうかな?って感じ。

あとわたしお酒をバカほど飲むので、今まではそのせいだと思っていたんですが、

最近ではお酒抜いてるときでも胃腸が「こいつら仕事してねえな」みたいになることが増えました。

10時間経っても胃のなかにステイしているご飯が居たりします。

お酒をバカほど飲むのは5年ほど継続しているので、新たに症状が出てきたということはEDSの進行のせいだと思います。

(とか言ってお酒のせいで他の疾患があったら笑えない。)

筋力の低下――EDSの典型症状。唯一抵抗出来る症状

筋力の低下は、EDSのせいで動けないことが原因なのかと思う部分もあるけど、使っていても衰えていく部分もあります。

今現在、腕の力で言うと、重いものを抱えて持つとかは意外と10㎏くらいまでは一瞬なら出来るんだけど、ペットボトルの蓋とかはギリ空けられるくらいな感じです。

手足は衰えてもまだまだなんとかなることが多いですが、内側の筋力が衰えると怖いですね。

一番最初に来たのは声!

淡が切れないのでガラガラして出にくい。しばらくしゃべってないと声が出ない。

これ結構辛かったので、歌うたいまくるっていう方法でなんとか筋力を元に戻しました。

あとは嚥下(呑み込む)障害。

飲み込みにくいもの食べるのが怖いし、すぐ変なとこに入る。

これは筋力なのか、組織が弱いせいなのか……。

最近になって何もしてなくても急にむせるようになったけど、これも歌うたいまくってると声ほど効果はないけど少なくなりました。

負担をかけずに回復できる部分であれば、筋トレは大いに役に立ちます。

その他の特徴――EDSの特徴(?)

歯並びはめちゃくそ悪いです。

両親が超お金かけて直してくれて、なんとか人の顔に収まれるようになり超感謝!なのですが、動いてしまって元に戻るので綺麗な歯並びは持続しませんでした。

調子が悪い日は歯が動きやすい感じがして気持ち悪いです。
 

肌は弱くないし伸びないけど、透き通ってて血管が見える感じはちょっとあるかも。

症状としては、陽に当たると蕁麻疹みたいになるから周囲には「日光アレルギー」って言ってます。

その結果、全然陽に当たらなくなったので余計に悪化している気がします。

あとは5年以上前の血も出なかったくらいの擦り傷の痕が残っていたりします。

 
確実にエーラスなのは、肉割れですね。

太ったり痩せたりしたことないけど、激太りして激やせしたあとみたいに割れている箇所が数か所あります。

 
あと、最近なぜか脚のかかとが低くなってきて、革靴とかパンプスとかがこぶに当たってしまって履けません。
 

一番心配なのは、子どもの頃から引っかかりまくった心臓検診。

どうやら大動脈の弁がちょっと開いちゃって逆流してるらしいけど、超軽度で進行もしてないのでスルー。

病気自体よりも社会の障壁の方が辛いよ

健康な人がきくと恐ろしい病気のように思うかもしれないけど、病気自体は慣れてしまえば意外と受け入れられるものでした。

病名発覚が遅れたこと、理解しづらい症状による人とのすれ違いや、治療法がなく病院ですら対応できない状況、特殊な身体だと働けないということなどなど

今までに受けた社会の障壁は、トラウマみたいになってなかなか消えないです。

そんな状況だからこそ、身近な人がもし「病気についてしっかり理解してくれている」っていう状態でいてくれたら、安心できる場が出来てすごく気持ち的に楽になるかもしれないなぁ。

今のところわたしの周囲には、この記事にかいたようなことを8割くらいでも理解してくれてる人間は一人もいないし、「理解しておいてくれ」と言う気もないですけど。

もし身近に心身の問題で悩んでいる人がいたら、その人がわかってもらえない社会のなかで困っていたら、わかってあげられる一人になりたいものですね。

って綺麗にしめて終わりです。

※最後にもう一度。エーラスダンロス症候群は個人差がとても大きい病気です!この記事はあくまで「わたしの症状」について書いています。